黒川の新鮮卵【市川進養鶏場】
今週は、黒川で40年以上続く養鶏場の園主である市川恭子(やすこ)さんにインタビューをしました。
セレサモス麻生店ではおなじみの「市川さんの卵」ですが、新百合ケ丘のnichinichi パンさんやリリエンベルグさんでも使用されれている、地元の方々に愛されている卵です。
鮮度の秘密は「翌日出荷」
とても新鮮で弾力のある卵の秘密は、生まれた翌日には出荷しているそのスピードにありました。
生みたての卵が食べられるのは、地元住民の特権ですよね。
市川さんの養鶏場の鶏舎内では、常時3000羽前後の鶏が飼育されています。
卵は全て赤玉の卵ですが、赤玉と白玉の違いは、鶏の種類で異なるそうです。
市川さんの鶏は、ボリスブラウンと、ゴトウもみじという純国産種の鶏が、一日平均1個程度の赤い卵を生んでいるそうです。
(厳密には、1羽が生むのは10日に8個のペースだそうです)
餌にこだわった臭みのない卵
鶏の餌は、カルシウム・ミネラルを多く含む配合肥料と、卵の黄身の色が良くなるパプリカを与えているそうです。
さらに、最近では贅沢に「海泥ミネラル」も与えてみたところ、生卵の臭みがなくなり、(鶏の糞まで匂いが軽減されたそうです)、より卵の美味しさが引き立ったと評判だそうです。
餌へのこだわりが、卵の美味しさにつながっているんですね。
卵の保存方法と賞味期限の秘密
せっかくの新鮮卵ですが、気になるのは生食できる賞味期限です。
いつまで生で食べていいのか伺ってみると・・・
卵の賞味期限は季節によって異なり、記載されているのは「生」で食べられる期間だそうです。
冬場は50日前後、夏場は15日程度生で食べられるとされています。
市川さんの卵は、取れた翌日には出荷しているので、かなり長期間生食できるということですね。
ちなみに卵は、暑さと水に弱いそうなので、調理直前までは絶対に洗わずに(できればパックごと)冷蔵庫で保存するのがいいそうです。
平飼い?鶏舎飼い?
市川さんの鶏は、鶏舎の中で飼われています。
鶏舎の中で育てると、平飼いとは異なり、外敵や天候からのストレスがなくなり、鶏が安心して一年中卵を生んでくれるそうです。
平飼いにすると、外敵からのストレスで卵を生み辛くなり、臆病なので結局薄暗い場所にひしめき合うように隠れてしまうほど、鶏は敏感な生き物なのだそうです。
平飼いだから絶対にいいという訳ではないようですね。
養鶏場がおススメする卵の美味しい食べ方
この道40年の市川さんに「新鮮卵の美味しい食べ方」を伺ってみました。
すると、やはり
「卵がけご飯」が一番おススメ!次に、「温泉卵」
ということでした。
王道ですが、やはり生で食べてもらうのが一番だそうで、「すき焼き」もいいですよね~と、優しく微笑んでくれました。
簡単ゆで卵の作り方
新米主婦にとっては、ゆで卵の作り方にさえ自信が持てないものです。
(私だけでしょうか。笑)
やはりプロに聞くのが一番と、「ゆで卵は水からですか?お湯からですか?」と唐突に聞いてみました。
すると、恭子さんも笑いながら教えてくれました。
恭子さんおススメのゆで卵の作り方
・鍋に水と卵を入れる(水からですね♪)
・蓋をして火にかける
・沸騰したら火を止める
・固ゆでなら15分。半熟なら10分程度で完成!
火を止めちゃうから「省エネ」です。
弱火でちょろちょろしなくて良かったんですね。
早速帰宅してから作ってみましたが、すんなりできました!!
けれども、新鮮な卵で作ったゆで卵は、そう簡単には殻が剥けません!!
逆に、殻が剥き辛い卵は新鮮な証拠だそうです。
知りませんでした。ぜひ皆さんも試してみて下さいね。
自宅で温泉卵の作り方
・発泡スチロールに卵と熱湯を入れて蓋をする
・7~8分放置したら温泉卵の出来上がり!
発泡スチロールは熱が逃げないので、簡単にできるそうです。
魔法瓶で代用もできるそうですよ。
できた温泉卵は、「サラダや丼ものに添えたり」「麺つゆをかけてそのまま食べる」ことが多いそうです。
何だか、包容力のある恭子さんと卵の話をしていると、インタビューであることを忘れて、お母さんにレシピを教えてもらってる娘のような気分になりました。
日本の農業は、消費者が支えていることを実感
市川さんのご主人進さんは、20年程前まえでは、養豚も営んでいてたそうです。
国産の良質な豚肉は人気でしたが、バブルが崩壊した後、消費者が上質な国産豚から外国産の安い豚肉へ流れたことから、養豚場を維持できなくなり、やめたそうなのです。
私たち一人一人の消費行動が、地元の農家の存続に直結するということを身近に感じるエピソードでした。
「何を選ぶか」は、自分のことだけど、自分だけのことじゃないのですね。
地元の採れたての農産物を買えるということは、味や健康面で直接買い手が恩恵を受けることはもちろんですが、
それだけではなく、地元農家の活性化、日本の農業の未来にさえ繋がっていくのだと、大袈裟ではなく本当にそう思うようになりました。
逆に、自分の消費活動が、地産地消が、ステキな好循環をもたらす力にもなる得るということです。
そんな意識で、(毎回ではなくても)豊かな気持ちで買い物ができたなら、翻って社会や未来が豊になるんじゃないかなと、そう思うのです。
はるひ野に越してくるまでは、地の物の美味しさ、豊かさなんて知らなかった私ですから、より新鮮な目で、真新しい気持ちで、地元農家さんの有り難みを感じるのかもしれません。
何か力になれたらいいなと、そう思うのです。
だからこれからも、地元農家さんのインタビューは続けていきたいと思います。
市川進養鶏場の卵が買えるのは
市川さんの卵は、セレサモス麻生店はじめ、柿生生産者直売会(新百合ケ丘区役所横・五月台駅前・栗平農協・稲田堤など)で購入することができます。
養鶏場は、鳥インフルエンザ対策で外部の方の出入りが厳しく制限されています(取材もご自宅で行いました)ので、お問合せは、直売所もしくはお電話でどうぞ。