田んぼで稲こき体験
前回記事にした、田んぼでのはざがけ体験から2週間が経ちました。
竹竿に干された稲穂が、すっかり乾燥して色の彩度が落ちた頃に、稲こきが行われました。
稲こきとは、脱穀(だっこく)のことで、刈り取った稲の穂から籾(もみ)をこき落とす作業のことを言います。
作業自体は坂本正さんが機械で行いますが、稲こきを終えた藁を束ねる作業は人手で行います。
今日はそのお手伝いでした。
16束を束ねて紐で縛る作業ですが、その紐は、先日の汁守神社のお祭りで使用された麻入りの縄でした。
体重をかけて縛るのですが、初めての身としては、すんなり結べません。
坂本洋子さんのレクチャーを受けて、いざ開始です。
今日は、93歳の坂本キヨさんも一緒です。
農家歴77年の超ベテランおばあちゃんは、とってもゆっくり動いているのに、どんどん藁の束を作って行きます。
見ると時々藁の間で休んでいるのに、何故か早い。
必死な形相のわたしとは対照的です。
休み休みやらないと、暑いから身が持たないよー
と笑って声をかけて下さいました。
藁の間から顔を出したキヨさんが可愛らしくて、すっかりファンになりました。
秋の日差しの中で、3人で田んぼに腰を下ろしてお茶と梨とお菓子を堪能していると、なんとも言えない充足感に満たされました。
人のしごとを見るのが好き
このうるち米が、いよいよお餅になります。
セレサモスで坂本さんのお餅に出会って、その美味しさに魅了されて、友人に配ったほどの身としては、その収穫から手伝えるだけで嬉しいものです。
昔から、私は人のしごと風景を見るのが大好きでした。
実家が家業で忙しかったため、保育園や学校から帰ると、近所の焼き鳥屋さんや、畳屋さん、八百屋さん、和菓子屋さん、硝子屋さん、蕎麦屋さん、寿司屋さん、煎餅屋さんなど、
上野浅草界隈の職人さんの仕事を、勝手口からじーっと眺めては、お喋りをして、おこぼれをもらっていた記憶があります。
「三つ子の魂百まで」とはよく言ったもので、30年以上経っても、根っこは変わらないものですね。
むしろ、職人さんが使う素材を生み出す大本の「農作業」を見た事がなかったので、今とても新鮮に目に映るのでしょう。
手伝えることが楽しくて仕方ありません。
川崎市のふるさと生活技術指導士
さらに洋子さんは、川崎市の「ふるさとの生活技術指導士」もされています。
ふるさとの生活技術指導士とは、「農家農村地域に受け継がれた生活技術を伝承している人」のことで、洋子さんは「みそ作り」の指導士をされているそうです。
そして年明け頃に、みそ作りを直接教えてもらえることになりましたので、また随時レポしたいと思います。
農家のお母さんの手仕事は、知恵と魅力がいっぱいです。
途切れてしまっては勿体ないので、しっかり習って、その伝承に貢献できればいいなと思っています。